TPUとは熱可塑性ポリウレタンエラストマー素材です。一般的には射出成型機を用いて金型を使用して作成します。3Dの凹凸が可能で立体感のあるワッペンの作成も可能です。現物で目にする金や銀の光沢感を再現する技法としてTPUワッペンが採用され、刺繍やPVCでは再現出来ないグラデーションの再現も出来る商品です。また、シリコンのように柔らかく耐久性に優れています。シリコンワッペンは熱硬化性の特徴が有り熱を加えると固まり、TPUやPVCは熱可塑性の特徴が有り熱を加えると溶けます。コストはシリコンより熱可塑性のTPU素材の方が安いがロットは有る程度必要になります。
※その他製品ではTPUは熱硬化性の商品も御座います。
■TPUの特徴
耐熱性:70度
耐久性:3年が目途
耐水性:水洗い可能
耐薬性:中性洗剤可
耐摩耗:優れている
単価:安い
納期:3週間~
最低ロット:300枚
■TPU制限
最大寸法:300×300
最大色数:5色程度
グラデーション:可
凹凸差:1㎜程度
裏加工:熱圧着
PVCワッペンにも素材により色々な特徴が御座います。ここでは代表的なPVCワッペン作製において、素材の種類と特徴、価格等のメリットとデメリット等をご説明します。
<PVC系の特徴と最低ロッド枚数による概算費用>
PVCの特徴 | 最低ロット | 耐熱 | 耐薬 | 金型費用 | 価格 |
TPU | 300枚~ | 70度以下 | ○ | ○ | 安価だが枚数制限有 |
PVC | 100枚~ | 60度以下 | ○ | ○ | ○ |
シリコンPVC | 100枚~ | ○ | ○ | △ | PVCの2倍以上 |
<納期についての注意点>
・TPU,PVC共に金型により作成する為、時後修正が出来ません。よって、作成前の事前のデータが重要になる為、
製作時間より、データの入稿までの事前の打ち合わせにお時間が掛かる場合が御座います。
特に3Dの曲面等が有る場合は有る程度お客様の方で3Dソフト等でイメージ作成が必要になります。
製作時間は入稿後金型に7日前後、量産に2週間程度が基本になりますが、その前の事前のデザイン作成がお済みで無い場合は
数日~数週間のデザイン作成時間が加算される可能性が御座いますので、その辺を踏まえて納期調整をお勧めいたします。
TPUの特徴はゴールドとシルバーの再現性に有ります。イングランドプレミアリーグ23/24シーズンユニフォームで、チェルシーやアーセナルの胸のワッペンとしても同種の物が採用されています。神々しいナイキのロゴと一緒にチェルシーのエンブレムにも使われていて、他チームとは一線を画す光輝くユニフォームワッペンになっています。
■PVCによるゴールドとシルバーの特徴
PVCでゴールドを再現すると色が沈んでしまい、光沢が再現出来ません。
PVCのゴールドをイメージするには色付きの粘土を想像して頂いて黄土色に近い色合いをご想像下さい。
シルバーは道路の路面のグレーに近い色合いになります。どちらもくすんだ色合いになります。※下図参照
■ウェアーやジャージなどの衣類
■キャップ
■グローブ
■リュックサック・ナップサック・バックパック等
TPUワッペンはPVCより厚みを抑えた仕上がりになりる為、熱プレスで取り付ける事が一般的です。熱でプレスする際は生地の素材を良く確認して、生地が傷まないように取り付けて行きます。PVCワッペンはPVCの上にフィルムが取りつけらている事が多く、上部のフィルムの型にはまった状態で、軽くPVCの裏面の粘着部分に生地を取りつけた後、上部フィルムを剥がして完成になります。再度熱プレスでしっかり固定する方法もありますのでその辺は生地の特性に応じて対応します。
<取り付け基準>
<素材> 3D TPU
<温度> 150度~160度
<プレス時間> フロント側の表面は10秒程度、裏面は15秒程度熱を充てる。
<剥離方法> コールドシートを剥がす。
<サイズ> 一般的な大きさは30×30㎝迄が基準になります。
<厚さ> 0.5mm~2㎜程度迄。
<デメリット>
・小ロット生産の場合は基本熱プレスは客様対応になります。弊社ではTPUワッペンのみの販売になりますのでプレス希望は別料金になります。
※小ロットプレスご希望の場合は、一度発注前にご確認ください。
・通常、専門の熱プレス工場は最低ロット2000枚からになります。
■個人ではどうやって圧着させるの?
・まず、熱プレス機を150度にセットします。
・貼り付ける生地の上にフィルムの付いたTPU素材を指定の位置に置き、上から25秒程度熱プレスし生地に素材を貼り付けます。
・その後冷ました後、透明フィルを剥がして取り付け完了です。
・生地により圧着があまい場合は両面交互に15秒程度再プレスを入れる事をお勧めします。
<AIデータ>
<製図データ>
TPUやPVCのデザイン入稿は基本的にイラストレーターによる入稿になります。
イラストレーター入校後、工場にて製図の作製をして実寸、凹凸、色の再調整を行った後サンプル作成を行います。
この間に掛かる時間は平均で翌日から細かいデザインで一週間程度必要になります。
工場で製図を行う際、イラストレーター上ではデザインは2Dの為、お客様のイメージをくみ取る事が出来ない可能性も多々御座いますので
3Dでイメージデータを追加で入稿すると工場との相違が軽減出来て構想期間の納期短縮にも繋がります。
製図製作後、お客様の了承を得てからサンプル作成を始めてしまうとその後修正が効きませんのでご注意ください。 サンプル作成には金型を用いますので、一度型を作ってしまうと後戻りできませんので、デザイン入稿から製図作成の段階で可能な限り細かい打ち合わせが 必要になる為、この区間は入稿からサンプル作成、量産迄の期日の他に、1週間程度は最低構想期間を含めた納期調整をお勧めいたします。 サンプル作成後の修正は新たに再度デザインの修正をする際は同額の金型代と新たなサンプル作成時間が発生しますのでご注意ください。
■色入稿方法
色の指定は基本的にパントーンのCを使って色の調整を行います。
パントーンC 一般的な印刷用の光沢の有る色を基準にした色見本帳になります。※RGB基準 パントーンU 一般的な印刷用の光沢の無い色を基準にした色見本帳になります。※CMYK基準 DIC 日本メーカーによる色基準になります。こちらでの色指定はパントーンに置き換えになりますので、色のトーンは前後します。 その他のパントーン色見本帳(インテリア用等)やWEB用のパントーンは使用できません。 ■入稿から完成までの流れ ・翌日から2週間程度 データ入稿→実寸のデータの確認→色の確認→凹凸部分の確認→厚みの確認→(3Dデータの作成) ・7日から10日前後 金型作製によるサンプル作成※修正が出た場合追加で7日から10日前後延びます。 ・14日~21日 発注からの量産作成期間※繁忙期等の時期により納期は前後します。 ・翌日~ 検品確認後、費用のお振込確認後発送。
WEBで使われる♯FF0000等のセーフカラーやイラストレーター上のR10G25B12等のWEBで使われる色番号は
各自のモニターにより色味が変わりますのでモニター上での色指示はお勧めいたしません。